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沈金に「いのち」を刻む|沈金師・春日友子さん

沈金作品、世界へ

2018年に「日本・フランス現代美術世界展」に挑戦した。それは同じコワーキングスペースの利用者であり個展に来てくれた人からの「海外のコンクールに出してみては」という一言がなければ、実現しなかったかもしれない。「多くの方々の目を惹きました」という海外からの評価は創作のうえで励みになった。

しかし、国際展示だからといって意識的に日本的要素を取り入れることはない。「ただ、心が動いたものを沈金に託す」。その姿勢は変わらない。

伝統と革新、そして何より「生きること」への真剣な眼差し。春日さんの手から生まれる沈金作品からは、確かな技とともに、なめらかな息づかいと人のぬくもりが感じられる。従来の工房とは異なるコワーキングスペースで制作を続けながら、春日さんは沈金の可能性を広げていく。

個展「花ひらく、春」の会場に立つ春日さん。(撮影:金沢伸吾氏)

【プロフィール】
春日友子(かすが・ゆうこ)
沈金師。1978年3月生まれ。東京都八王子市出身・在住。石川県立輪島漆芸技術研修所卒業。在学中、現人間国宝(重要無形文化財保持者)である前史雄氏に師事。有名百貨店の和食器売り場にて実演販売を経て、注文による制作も多く手がけている。
伝統的な沈金技法を基礎としながらも、新素材への応用や海外でのコンクールでの受賞や展示など、革新的な創作活動を行う。

個展

2008八王子ギャルリーモト、東京
2018「花咲く春にあう」、AZITO BAR、東京
イラスト展「休日の過ごし方」CAFFEE ritmos、東京
2021「花ひらく、春」、tino/coda、東京
2022「『秋澄む日に』~ノミの音色を聴いて〜」、東京メガネ八王子店、東京
2024「〜春うえざれば…〜」、tino/coda、東京

グループ展

2020「時のかたち」、ギャラリー芙蓉、東京

受賞歴

2018「第19回日本・フランス現代美術世界展」 入選
「第51回欧美国際公募フィンランド美術賞展」 入選
2019「第20回記念日本・フランス現代美術世界展」 入選
2020 「第21回日本・フランス現代美術世界展」 入選
2021「第53回欧美国際公募スペイン美術賞展」 推薦・招待作品出展
「第22回日本・フランス現代美術世界展」 入選
「サロン・ドトーヌ2021」 入選
2022「パリ国際サロン」 優秀賞受賞
「TOKYO世界巡回展」 出展
「第23回 日本・フランス現代美術世界展」 出展
「サロン・ドトーヌ2022」 推薦
2023「パリ国際サロン」 出展
「TOKYO国際展パリ」 出展・優秀賞受賞
「第24回日本・フランス現代美術世界展」 パリ国際サロン賞受賞
「サロン・ドトーヌ2023」 推薦
2024「第25回日本フランス現代美術世界展」 推薦
「パリ国際サロン」 推薦
「サロン・ドトーヌ2024」 推薦

(2024年12月 インタビュー 足立愛子)

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この記事を書いた人

ライター/企業広報。1995年生まれ。国際基督教大学(ICU)卒業後、NECに入社し、政策渉外部を経て、人事部門で研修企画に携わる。2022年、品川区から東京都あきる野市の山のふもとに移住。移住を機に退職、フリーランスとして活動を開始。
現在は、大手企業のオウンドメディアやNPO広報誌の執筆、企業のSNS運用を手がける。また、西多摩地域をリブランディングした『東京山側』地域におけるライターとして、地域でソーシャルアクションを展開する人々の声を発信している。
地域課題の解決に取り組む人々や、文化芸術に携わる方々の想いを丁寧に紡ぎ出し、温かみのある文章で伝えることをモットーとしている。伝統芸能・工芸、アート、福祉、自然、多文化共生、読書などの分野に関心を持ち、取材活動を行う。

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